奈良県支部
【第3日目:8月13日夕方〜夜】

 ☆ テレビ局からホテルまで〜すし詰め人肉車爆走す!

テレビ取材が終了し、テレビ局のランドクルーザーがホテルまで送ってくれるとのことですが、どうやら運転手から、ピストン輸送はもう勘弁してくれと泣きが入ったようで、一発勝負のホテル送り込みとなりました。

テレビ局に来るときの、究極のギューギュー詰めの状態に、てつのすけさんとマダンさんが加わります。もはや、身動きなど取れません。
ミニランガなどはランガの膝の上に重なり、人間重箱状態ですが、ミニランガの方がランガより体が大きいのでいびつな重箱です。

一番ワリを食ったのが、福井の美女きえちゃんでした。
車両最後部の観音開きのドアから乗り込もうとした貴恵ちゃん、すでに先客が後部席を占領しております。しかし、ここで乗り込まねばテレビ局の正門前に置き去りにされるばかりか、チェンナイに置いてきぼりにされて、他のメンバーは日本に帰ってしまうのではないか、という猛烈な不安が脳裏をかすめたようです。

「何すんねーん、無茶すんなー!」

の怒声をものともせず、まるで一本の電信柱のように体を硬直させて後部ドアから突入!きえちゃんの旦那さんタカちゃんを含む6名の先客の上に覆い被さっていきました。その死にものぐるいの突入でタカちゃんは足をきえちゃんに踏まれたままの超痛々しい姿勢でホテルまで我慢せねばなりません。後部座席の方から、ひ〜、痛い痛い!と、ときおり悲痛な声が聞こえてくるのでした。

運転手の真横に陣取ったシーサンがデジカメで車内の状況を撮影しましたが、その写真をすぐにチェックして見ると、まるでUSJのジュラシックパーク・ザ・ライドの乗り物が水面に落下する瞬間の写真みたいに全員がとんでもない表情で映っており、それを見たエミリンさん、リーさんが死ぬほど笑い続けるのでした。

結局、この車には定員8名に対し、なんと14名が乗り込んでいたのでした。

 ☆ センディル邸訪問

ホテルで少々の休憩の後、メンバーはホテル前で待機中のスグマールさんらのオートリクシャー4台に分乗、夕闇迫るチェンナイ市内を、一路センディルさんの邸に向かいました。

このころになると、スグマールさんのおじゃまん一家専用車以外にも、エミリンさん、リーさん、きえちゃんの三大美女専用のオートリクシャーができあがっており、そのリクシャーは、誰呼ぶともなく

「マダムカー」

とささやかれておりました。てつのすけ夫妻とユキコさんそれにマダンさんの乗り込んだ「引率カー」が常に他のリクシャーの先導をつとめます。当然、残りの1台のメンバーは、きえちゃんにふられたタカちゃん、関取なみの体格のみずさわさんと、その大きな二人に挟まれるように両肩をすくめて、窮屈そうに座るシーサンの三人です。この車だけは、殺伐とした雰囲気のオートリクシャーなのでした。

センディル邸に向かう途中、チェンナイ市内で大勢の人が集まり、火を焚いて火の祭りの真っ最中でした。夜の闇に浮かび上がる炎のコントラストが美しい、とても活気のある情景を見ることができました。

やがて、センディル邸に到着。たくさんの使用人のいる邸です。すぐに、OKが出て、邸の中に入りました。あいにく、センディルさんは外出中とのことで、センディルさんの奥様が出迎えてくれました。奥様は、大変に小柄な方で、親しみのこもった笑顔で全員を歓迎してくれるのでした。

邸内奥の広間では、二階につづく大きなカーブのある階段が印象的でした。階段の途中に若き日のセンディルさんの大きな写真と現在のセンディルさんと奥様がツーショットで撮った写真が飾ってあります。
反対の壁には、ラジニカーントがセンディルさんの2人の息子さんと撮った写真が飾ってあり、メンバーのマダム連中からキャ〜ッ!と、歓声があがるのでした。

全員が広間で、センディルさんの奥さんと交互に写真を撮りました。 奥さんは、終始ニコニコしてらして、この妻の鑑ような奥様の内助の功があってのセンディルさんなのだなぁ、と感心してしまいました。

突然の訪問で、センディルさんの奥さんには大変ご迷惑かけましたが、ラジニ作品の重要な相方として、我々ラジニファンにとって、ラジニ様と一対のようなセンディルさんです。梅にうぐいす、竹に虎、牡丹に唐獅子、ラジニにセンディルと言うぐらいなのですから、訪問しない訳には参りません。

奥様に丁重にお礼を言って、我々は、センディル邸を後にしました。

 ☆ マリーナビーチにてヘンナに夢中の変な日本人

その足でコロマンデル海岸のマリーナビーチに向かいます。

夜のマリーナビーチは、大量の夜店の明かりが、まるでイカつり漁船の漁り火のようにどこまでもどこまでも煌々と続く、巨大な縁日のような情景です。大量のチェンナイ市民が涼を求めて海岸へ繰り出し、寄せては返す波の音と時折吹き付ける強烈な風を楽しみます。

漆黒の夜空に浮き上がるような各種のモニュメントが見事です。そんなモニュメントの中にM.G.R.ことタミルナードゥ州知事まで勤めた往年の人気俳優、故M.G.ラーマチャンドランの天空に弧を描く白亜の四本爪のような見事なモニュメントがあります。モニュメント中央に大理石の大きな墓標が設置されており、これに現地の人々が耳を押しつけて何かを聞き取ろうとしています。
この墓標の中にM.G.R.が生前愛用した腕時計が埋め込まれており、今もコチコチと時を刻み続ける音が聞こえるとのことです。おじゃまんも必死に耳を押しつけましたが、位置が悪かったのか何の音も聞こえませんでした。しかし、リーさんは時計の音が確かに聞こえたと言って満足げでした。

モニュメントを後にして、いよいよ夜店めぐりです。

様々な品物を売っています。飲み物はもちろんのこと、本、アクセサリー、骨董品、衣料品、中にはゲームセンターまがいの射的コーナーまであります。そんな中に、実演販売のヘンナ売りがいました。

ヘンナとは、植物からとった染料で、ヘナとも言います。
手のひら、手の甲、さらには体中にヘンナで様々な模様を付けます。
主に女性が儀式、祭りなどの際に盛大にヘンナでお化粧をするのです。

女性陣は、みな目を輝かして次々にヘンナで手のひらなどに模様を付けてもらい大喜び。もちろん、大量に購入します。エミリンさんなどは友人へのお土産とばかりに買い占めにかかり、すぐに完売となりました。
ヘンナ売りのおじさん、変な日本人のおかげで変にもうかり、ニコニコです。

ヘンナの店から、さらに海岸に向けて歩くとアクセサリー売りの夜店がありました。ここで、おじゃまんが会社の同僚へのお土産を購入することになります。キーホルダーなんですが、紫檀で作った七福神なのです。
ずっしり重くて独特の光沢がある逸品です。

店のお兄さんに一個いくらかと訪ねると、5ルピーだと言います。日本円で12円50銭という安さです。25個注文しました。総額125ルピー(312円50銭)。何という安い買い物でしょう。喜んでお金を払おうとすると、マダンさんが制止しました。まだ、お金を払うなと言うのです。マダンさんが、店のお兄さんにタミル語で交渉しています。
ディスカウントの容赦ない交渉が始まります。店のお兄さん、そんな殺生なという表情。

結局、100ルピー(250円)になってしまいました。何か、気の毒だとは思いましたが、さすがにマダンさん、情け容赦なしの交渉でした。

このお土産は、帰国して出勤した日に同僚に配りました。
「紫檀(シタン)の七福神やで。

なんぼシタンとは聞かんといて。

それからなぁ、御利益があるかないか知らんけど、捨てたら確実にバチが当たるから気ぃ付けや」まるで、脅しです。

お店で時間を取られすぎ、とうとう海辺までは行けず、途中から全員が靴を脱いで裸足で砂の感触を味わいながら、オートリクシャーの待つ場所まで戻りました。ベンガル湾から吹き付けるスケールの大きな涼しい風を全身に受け、足の裏にきめ細かい砂の粒子のくすぐりを感じながらスグマールさんらの待つ場所へ向かいます。

 ☆ 遅い夕食〜食堂店員は大騒ぎ

あまりに盛りだくさんの一日で、夕食がまだでした。
全員が、それぞれのオートリクシャーに乗り込むと、アルナチャラホテルに向けてぶっ飛ばします。
遅くなったので、ホテル直近の大衆食堂ですますことになりました。

食堂のウェイターが日本からのラジニファンを珍しがって、注文を聞くのもそこそこに、我々の席のそばから離れようとしません。ラジニTシャツを着込んだ気合いの入った日本人に惚れ惚れしているようです。
てつのすけさん、マダンさんに話しかけては、仲間同士で猛烈に盛り上がっております。

とうとう、店の誰かが店内に流れていた音楽をラジニ映画の音楽に変えてしまいました。バーシャ、パダヤッバなど耳に心地よい音楽がが次々と店内に流れます。

このように、行く先々でラジニ様の威光に預かる我々メンバーなのです。

あぁ、楽しい一日でした。

つづく...


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