奈良県支部
【第2日目:8月12日午後】

 ☆ ラジニカーント邸訪問

孤児院から一端アルナチャラホテルに戻ったメンバーは、しばらく各自の部屋で休息を取ったのち、正規のスケジュールに移行します。

まずは、ラジニカーント邸訪問。これは、ラジニ・ファンにとってイスラム教徒のメッカ礼拝、ヒンドゥー教徒のカパリーシュワラ寺院礼拝に匹敵する聖なる行為と言えるでしょう。
ラジニカーントは自宅にいないという情報が早くから流れておりましたが、会えずでもともと、会えれば即死というメンバーにとっては一向に気になりません。
4台のオートリクシャーに分乗したメンバーは、一路ラジニカーント邸のあるチェンナイ市内の高級住宅地へ向け出発しました。すでにエミリンさんは、コバルトブルーの天女のパンジャビからラジニTシャツに着替え、本来の雰囲気を取り戻しております。

ラジニ邸は、白亜の建物。あいにく改築中で大工さんと人足でごった返しており、恒例のラジニ警備隊(ガードマンの一団)が門前のガードを固めております。そこへ、日本から押し寄せたラジニ・ファンが加わったので すから門前は大騒ぎ。メンバー全員がラジニTシャツとラジニふわふわ人形で武装しておりますから、ラジニ警備隊も我々がどんな集団であるかは一目瞭然。現地のファンが現れたら厳しくガードする警備隊も、はるばる日本からやってきたラジニ・ファンには目を細めてニコニコするばかり。

縦30センチ横60センチはあろうかというラジニカーントの見事な表札の前でメンバーは交互に記念写真の撮影に余念がありません。
きえちゃんが持参した東京のあさのさん作成の見事なラジニだるまを表札の横に据えて写真を撮れば、そのコントラストの冴えは筆舌に尽くしがたい迫力をもたらします。

結局、ラジニ邸には一歩も入ることができませんでしたが、事実上の門前払いにもかかわらず、メンバーにとってはまたとないチェンナイでの証を得ることができたのでした。

 ☆ 現地サポーターのマダンさん

ラジニ邸訪問直前から、一人のインド人青年がてつのすけさんをしっかりとサポートしておりました。

彼の名はマダンさん。今年28歳になる人懐こい笑顔の独身好青年です。
マダンさんは、我々が日本へ帰国した直後、追いかけるように日本にやって来て大阪都島区にスブ先生が開店させるインドレストランで南インド料理専門のコックさんとして活躍する予定なのです。

あらかじめ、スブ先生がマダンさんを手配してくださっていたとのことで、いかに、てつのすけさんと言えども両手に余る奈良支部高齢者グループの引率に、現地チェンナイの

心強い助っ人

が現れたわけです。

マダンさんの人懐こさ、誠実さは尋常ではありません。そのエピソードは我々がチェンナイを離れる夜のチェンナイ空港で実証されることになります。

 ☆ アートカラーンのスグマールさん

もう一人、おじゃまんの個人的な贔屓でご紹介させていただきます。

孤児院からアルナチャラホテルに戻る途中拾ったオートリクシャー4台の内の1台の運転手さんがスグマールという人で、その独特の風貌はひと目見て惚れてしまうものでした。

ラジニカーントとセンディルを足して2で割ったと表現すれば判りやすいでしょうか。体型はセンディル、顔つきは愛嬌のあるラジニカーントという感じ。偶然にもスグマールさんのオートリクシャーに乗り込んだおじゃまんは、咄嗟に「ナーン、アートカラーン!」と彼に声をかけていました。
スグマールさんの反応は、飛び上がるほどの喜びようで、他のリクシャー運転手に自慢しながら、おじゃまんを何度も振り返って「ハハハ、ナーン、アートカラーン!」を連発しながら得意満面のご様子。

この魔法の言葉「ナーン、アートカラーン」が二人の心を結び付けてしまうのに時間は必要ありませんでした。まさに、一瞬にして意気投合です。

以後、このスグマールさんはじめ4台のオートリクシャーは、ツアーメンバーの専属として常に行動をともにすることになるのです。そして、スグマールさんは常におじゃまん、ランガ、ミニランガの三人を自分のリクシャーの専属客として待ちかまえていてくれるのでした。

まもなく二人は

「スグマー」
「オジャマー」

と呼び合う仲にまでなります。

 ☆ あさのさんのラジニだるま

今回のツアーに残念ながら参加することができなかった東京のあさのさん。
彼女の作成するラジニだるまには定評がありますが、今回特別に仕上げたラジニだるまの表情は、神懸かったという表現がピッタリの何やら

魂すらこもった迫力を感じさせる絶品

です。
あさのさん、参加できないかわりに自分の分身とも呼べるラジニだるまを福井のきえちゃんに託します。
このラジニだるまは、日本ラジニファンの来訪の証として、きえちゃんの手から現地ラジニファンクラブに寄贈される予定です。

 ☆ ラジニファンクラブ訪問

チェンナイ市内のラジニファンクラブの建物は、広大な敷地に会議場、結婚式場まである堂々たるラジニ教の総本山です。 日本からのラジニファンに対する親近感ともてなしぶりは、どこへ行っても第一級のもので、このラジニファンクラブにおいても特待扱い。全インドのラジニファンクラブを統括するサティヤラナヤナ頭目の快いもてなしで建物内をつぶさに見学。特に結婚式場の豪奢な新郎新婦の座ではメンバー各人が記念写真を撮りまくりました。

写真を撮っている最中、横の建物から歓声が聞こえてきます。

何だろうと思って見に行くと、横の建物の窓から10人近い現地の若者が身を乗り出して手を振り振りこちらに親愛のエールを送ってくれているのでした。日本からのラジニファンは、彼らにとってラジニカーントの世界的人気の証と誇りなのでしょう。

おいとまする前に、全員がサティヤラナヤナ頭目の部屋を訪れ、感謝の言葉を述べました。そして、きえちゃんの手からあさのさんのラジニだるまが頭目の手に渡されると、頭目はだるまを見て驚きの表情を見せました。
ここまで、手の込んだラジニグッズを作る器用な日本人に改めて感心しているようです。
あさのさん、ラジニだるまは今、

世界一のラジニファンクラブ頭目の部屋で
キリリとした表情で座ってますよ。

よかったですね♪

 ☆ 本場サリー購入

ラジニファンクラブを後にして、一端アルナチャラホテルに戻り、しばしの休息の後、サリー専門店に向かいます。

チェンナイ市内のメイン通りに面したサリー専門店。さすが、現地の専門店です。女性店員さんは、全員見事にサリーを着こなすハウスマヌカン。膨大な種類のサリーが店内ところせましと積み上げられ、メンバー女性陣の目の色がいっそうの輝きを増しているのを感じました。気に入ったサリーがあれば、店内奥の試着室で店員さんが丁寧に着付けをしてくれます。

ランガ、リーさん、きえちゃんらが次々に試着室に入り、一端男性陣の前から姿を消して、しばらくするとお色直しよろしく見違えるように見事なサリー姿で現れます。
待ちかまえる男性陣から「ホー!」と歓声が起こります。

男性陣も負けてはいられません。店の地下に男性用のドーテ販売コーナーがあります。シーサン、みずさわさん、おじゃまんは迷うことなくドーテを購入。ドーテ・ブラザースのデビューも間近いことでしょう。

さて、ひとつ取って置きのエピソードを披露しましょう。

サリー売り場の女性店員さんに、みずさわさんが得意そうにあるカードを取り出して見せます。店員さん、

見るなりキャー!と叫んで
笑い転げること笑い転げること。

近くの店員さんを呼び寄せ、カードを手にしたまま、爆笑がおさまりません。

このカードこそ、奈良支部発足1周年記念イベントでみずさわさんが男だてらにサリーを着込んだ写真をあしらった伝説的なスルットKANSAI(レインボーカード)だったのです。店員さ〜ん、目の毒、気の毒、ご愁傷様♪

 ☆ 一世一代の超高級インド料理を堪能

チェンナイ市内に深々と夜のとばりが降りる頃、存分にインド衣装の買い出しを終えた一行は、猛烈におなかが空いているのに気づきました。

チェンナイ市内屈指の超高級ホテル、チョーラシェラトンに向かいます。
このホテル内にラジニ様御用達の料理店があるのです。ホテル2階にペシャワーリという料理店が入っています。 つい、先日もラジニカーントが友人を招待してシーフード料理を堪能したとのこと。
ハンサムで親切な給仕さんにお願いして、ラジニカーントが食したというシーフード料理のコースを、まったくそのまま出してもらうことになりました。

次々に運ばれてくる料理は、マサラ風味たっぷりのロブスター、お頭付きの魚、日本ではまず食せないであろう各種の食肉加工品等々、どれも飛び上がるほどのおいしさで、インド料理独特のスパイシーな味付けがなされています。
最後のデザートを食べ終わったときには満腹満腹、もうこれ以上は体のどこにも何も入らぬ至福の状態にメンバーは大満足でした。

75円でミールスを満喫できるチェンナイの物価から考えると、この超高級料理のお値打ちは

1人25,000円というところでしょうか。

あくまで、体感したお値打ちですけどね。

この料理を食している最中、マサラ・ソールトなる不思議な塩が出てきました。文字通り、マサラ風味の塩なんですが、これが、塩辛党のおじゃまんの食指を猛烈に刺激しました。

こりゃ、ずぇ〜ったいにマサラ・ソールトをお土産に買って帰るぞ!と肝に銘じました。以来、チェンナイを後にするまでの数日間、行く先々の店でマサラ・ソールトを探し求めましたが、とうとう見つかりません。
どのお店の店員さんに尋ねても、マサラ・ソールトなんて塩、聞いたこともないという表情だったのです。

あれは...夢だったのでしょうか。マサラ・ソールトなる塩を食したのは、夢まぼろしだったのでしょうか。何か、狐につままれたような気がするおじゃまんでした。

つづく...


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