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【第2日目:8月12日】
☆ 朝食〜本場マサラ・ドーサに激しく舌づつみ 午前9時、前日の疲れを幾分癒したメンバーがホテルロビーに集合。 朝食は、アルナチャラホテル内にあるレストラン。 ふと、横を見ると、現地のご婦人客が注文したスペシャルドーサなるものが運ばれてきました。円錐形の巨大なピラミッドを思わせるスペシャルドーサ...どうやって食すのか見守っていると、そのご婦人は円錐ピラミッドをパタンと横に倒し、ペンペンと叩いてペッチャンコにしてから食べ始めました。何のことはない、食べる瞬間には普通のマサラドーサとほぼ同じ状態になるのでした。 ☆ チェンナイ・オートリクシャー考 ホテル前からオートリクシャー4台に分乗したメンバーは、午前中エミリンさんの知り合いを訪ねるということで出発しました。 オートリクシャーの運転手さんは、例外なく強烈なレース感覚の持ち主で無謀とも言える運転をします。客はリクシャーの手すりに必死にしがみつき、振り落とされないように歯を食いしばります。 「客をいかに早く目的地に運ぶか」 という命題を非常に律儀に守ろうとしているのです。すべてのリクシャー運転手にはこの哲学がこよなく行き届いているようです。 ☆ エミリンさんの秘密 4台のオートリクシャーは、コーダンバッカム駅とは違う大きな近代的な駅に到着し、ここから鉄道でエミリンさんの知り合いが待つという駅に向かいます。 駅の構内、プラットホーム、どこにいてもエミリンさんの見事なパンジャビ姿は注目の的です。ひときわ色白で端正な面立ちのエミリンさん。 ドアなし貨車風列車にゆられていると、外の風が車内を存分に駆けめぐって行きます。車内では、物売りが出没、身動きも取れない超満員の中をくだものからピーナッツの量り売り、はては電池を売って歩く男など、賑やかさは尋常ではありません。 目的の駅に到着。列車を降りてプラットホームから線路上に飛び降り、線路を横断して駅の外に出ます。まるで、終戦直後の闇米買い出しのの連中が警察の一斉取り締まりを受けて、クモの子散らすように逃げまどう状態が眼前に繰り広げられています。 駅の外で、しばし連絡を待ちます。 駅の反対側にたどり着くと、そこにはミッション系シスターに連れられた6〜7歳の丸坊主の女の子が待っていました。エミリンさんは、その女の子のそばに近づくと、笑顔を満面にたたえてしゃがみ込み、やさしく語りかけました。女の子はいくぶん緊張気味で、初めて会うエミリンさんに笑顔を返そうとしますが、うまくいきません。 実は、エミリンさんは 昨年の暮れぐらいから、エミリンさんはインドの孤児に義捐金を送金していたのです。現在も月々1000ルピーの送金を続けておられます。 いやはや、エミリンさんがこんな形でインドに貢献しているとは、奈良支部長おじゃまんも今日の今日まで知りませんでした。誠にお見事です。 シスターが手配したワンボックスカーに全員乗り込もうとしましたが、アブれる人が出たため、オートリクシャーを1台拾ってやっと全員が孤児院に向かって出発したのでした。 チェンナイ市内の陸軍施設内の一角にそのシスターが勤めるミッション系孤児院があります。飾り気のない清潔な建物で、たくさんのシスターたちが孤児の面倒をみています。みな、底抜けに明るくて、笑い声の絶えない院内は、最高の環境を孤児に提供しているようです。 応接室に通されたメンバーは、しばし椅子に腰掛けてシスターと歓談しました。我々グループが日本のラジニカーントファンであることが明かされ、てつのすけさんが前回チェンナイ訪問した際にラジニカーントと奇跡的な出会いをした写真などが披露されると、シスターの興奮は最高潮に達します。他のシスターを呼び寄せたり、昼食の準備中のシスターにその写真を見せてきても良いかと了解を得てその写真を持って出て行きます。しばらくすると炊事場と思われる方角からキャーキャーいう他のシスターたちの嬌声聞こえてくるのでした。ラジニカーントの威力は、ミッション系シスターの間でも揺るぎないものでした。 恐れ多くも、全員が昼食をごちそうされるハメになりました。 食後、例のシスターから、この建物の裏手の山にあるハンディキャップを持った子供たちの施設も訪ねて欲しいとの要望で、一行は孤児院を後にし、裏山を登って行きました。 10分ほど登り切ると、当の施設がありました。 ラジニカーントのファンだったのです。 みずさわさんが、黄色いタオルを振り回しながら、バーシャのアートカランを歌い踊ると、もはや子供たちは熱狂に包まれ、ハンディキャップを忘れて一緒に踊る子供たちや手拍子足拍子で盛り上がる子供たちの大合唱になりました。 タカちゃんの膝の上に これには、横で見ていたシスターもびっくり。 あっという間に30分が経過、そろそろこの施設をおいとませねばなりません。30分という時間が長いのか短いのか、日本からはるばるやって来て、ラジニカーントというヒーローを介して現地の孤児たちと心を一つにした30分。それは、時間と空間を超越した神様からの贈り物だったに違いありません。 施設から去るメンバーたちを子供たちとシスターが大きく手を振り見送ってくれます。中には駆けだしてメンバーを追いかける子もいます。 エミリンさんの義捐金から始まったこの感動的な時間は、もちろん当初のスケジュール外の出来事でしたが、最高に価値ある思い出を残してくれました。これだから、旅行はやめられないのです。どんなハプニングがあるか、それは現地に足を運ばねば体験することができません。 |